最近販売し始めたマドレーヌは、マドレーヌといいつつアーモンドプードルがまあまあな比率で入っていて国産の蜂蜜も使っていてバターも多めなので少しフィナンシェ のようなしっとり感とコクのようなものがあります。
パンを作るひとならばご存知かもしれませんが、小麦粉と塩とイーストと水のみで作る生地をリーンな生地、卵や油脂や砂糖などを加えたブリオッシュ生地のようなものをリッチな生地と言ったりします。このマドレーヌは通常入れないアーモンドプードルと蜂蜜を使用しているので何となくリッチバターマドレーヌと名づけました。
当日は香り良く外側がさっくり中はふんわり、日が経つにつれ徐々に全体にしっとりと歯触りが変わっていきますので3日をめやすに自分のお好みのタイミングを探していただけたらと思っています。
以下雑談。
当店Capra(カプラ)のスコーンは『のす』作業が案外力がいて、一日中スコーンをたくさん作り続けるのは体力的に無理だと何年目かに気づき、他のお菓子を模索するようになりました。つまり、背中以外の他の筋肉を使いたくて他のお菓子を模索してます。
私の目的は美味しいスコーンを作ることではなく誰かがひと息つく時のお供になるようなほっとする美味しい(であろう)ものを作り、それに伴う時間を作ってもらう事、なので手段はなんでも良いのです。
スコーンだけ作ってりゃ良いのに、マドレーヌやらなんやら、他のものにも手を出しちゃって、、、とお嘆きのかたもいらっしゃるかも、という私の被害妄想によりこんな事を書いています。もともとの目的とは外れていませんよ、とただ言いたい。
先日、そういう気持ちが通じたのか、とても嬉しい手紙をいただきました。私のスコーンでなんとか這い上がれた(もちろんもっと心のこもった内容と言い回しでした)といった内容でした。私のお菓子は単なるきっかけに過ぎず、這い上がれたのはその方の力にほかなりませんが、きっかけのお手伝いができたのであればこんなに嬉しい事はありません。
あくまで私自身のために、お客様がほっとできるお店でいられたらと思っていますが、疲れが表に出やすいのでなかなか上手く行きません。どうか今後も優しい目で見守っていただけると幸いです。
そして愚痴。
昨日、乳製品屋さんからバター大幅値上げのお知らせがきました。営業マンの方は悪くないのに度重なる値上げに私は不機嫌になってしまいました。私にはその発酵バターを仕入れないという選択肢は今のところ無いのです。スコーンも値上げしないときびしそうです。お客様には買わないという選択肢があるのです。商売は難しくて興味深いです。